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同人

2024年12月12日(木) 21:04:23



みちのくCOMITIA13の委託物が返送されてきました。お手に取ってくださりありがとうございました!道外のイベントってなかなか出られないので、委託参加できるイベントはとても助かります。


とりあえず今年のオフライン系のイベントは以上で終了です。あとはオンイベのBOX of BLOCKsが12月23日~26日にあるのみですね。既刊のみで新作もなさそうですがよかったらよろしくお願いします。



来年はまず1月4日に札幌で開催のやわらか大作戦に出る予定です。BOX of BLOCKsが終わった後にまたお知らせしますが。新作はないですが、新年あけての顔出し的に参加してこようと思います。あと2月にElysianに出る。

道外イベントについては3月のTAMAコミ申し込みました。東京の一次イベントってよく考えたら10年ぶりだよ……。一応、スケジュール的にギリギリ行けそうだから行ってみようと思って。ここに向けての新刊も特にはないですが、初めて参加するイベントなので本は全部TAMAコミ初売りではある。物は言いよう。そのあとはしばらくイベント参加は休む予定。来年の新刊は6月の北海道COMITIAに向けてこれから頑張ります。
イベント参加系は早めに申し込むものとかもあるので半年くらいは予定既に決まってしまっている部分もありますが、委託とかwebイベ関係は今後また増えたりするかもしれないです。

TAMAコミは多分毎年は出られないと思うけど、当面の目標は秋の関西コミティア毎年参加。なので来年は多分遠征2回かと思われます。体力とかスケジュールとか金銭的な部分を考えると結局こんな感じになりますが、まあ十分でしょう。イベントでお会いすることがあればよろしくお願いします。もちろん道内のイベントの方も。



まだ年越しまで少しあるのでまた何かしら更新などすると思います。更新もしよう。

2024年11月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

同人,お知らせ

2024年11月30日(土) 22:53:50



れみのそうさくむら第十寄合参加してきました。
当日はありがとうございました!
とりあえずこれで今年の直接参加のイベントは終わったので、あとは適当に過ごそうと思います。


委託の方でイベントで12月8日にみちのくCOMITIA13に参加します。委託9です。一応お品書きつくりましたので、よかったらよろしくお願いします。


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あとは年末に迷ってたwebイベントに結局参加することに決めたのがあったりとか。そんな感じです。新しいものはないのでwebイベントが近くなったらまたお知らせします。


同人,お知らせ

2024年11月20日(水) 22:12:34



とりあえずイベント参加のお知らせのみ。

11月24日開催のれみのそうさくむら-第十寄合-にサークル参加します。スペースは24です。会場は札幌市民交流プラザ3階のクリエイティブスタジオになります。よろしくお願いします。

今回は15~19時開催のイベントになるので、もしかすると終盤30分くらい早めに撤収するかもしれないです。とはいえ折角の第10回なので参加してお祝いしてきたいです。れみむら初売りは先月の北ティア新刊の「レラカムイ」になります。他に新しいものは特にないです。委託は来月のみちのくコミティアがあるけど、直接参加のイベントは今回のれみむらで今年最後になります。それ以降のイベント参加は年明けになります。ていうかもう年末なのかよ……


という感じですけどもよろしくお願いします。



wavebox応援ありがとうございます!

歴史、神話

2024年11月12日(火) 23:11:03



読んでも読まなくても別に困らないような10月新刊「レラカムイ」のおまけ的な話。


アイヌ民話、神話系で登場する英雄神で真っ先に名前が挙がるのはおそらくオキクルミだと思います。オキキリムイ等の表記の場合もあるし、諸説あるるけどアイヌラックル(人間くさい神の意味)と同一視される神とのこと。アイヌ創世神話並びにアイヌラックルの一連の物語は平凡社ライブラリーの「カムイ・ユーカラ(山本多助著)」に詳しく乗っているので興味がある方はそちらを読まれると良いです。私の説明だと分かりづらいと思うし。

ところで、このオキクルミが北海道全域で一番の英雄神とされているのかというとそうではなくて、東西で違いがあるそうです。どこを起点にしているかは判然とはしないけど(日高山脈だろうか)大まかに西側の英雄神はオキクルミ、東側の英雄神はサマイクルになる。で、物語の中にはオキクルミとサマイクル二人ともが出てくる話もあって、オキクルミが偉い地方の話ではサマイクルは愚か者に、逆にサマイクルが偉い地域の話ではオキクルミが愚か者になるわけです。
色んな話を読んでいると登場人物のオキクルミとサマイクルの名前を入れ替えただけの話もたしかあって、元の話の成立は西か東かはわからないけど人の移動と共に物語も移動してるのが分かるのは面白いです。

ちなみにアイヌ民話の小話的な物も読んでいると日本神話の因幡の白兎なんかもあったりして、なんかケルト神話のオシーンの話と浦島太郎が似ているとかいう話も伝言ゲームという意味では一緒なんだろうなと思ったりはします。アイヌ民話の方も元々は中国やインドの話が元ではないかと思われているものも一部あるらしいし。


アイヌ関係を調べると英雄神と言えばオキクルミ的な感じになってしまうのは、おそらくアイヌ関係の知識人の有名どころが西側出身で自然と西側の物語が多く集まったからではないかと思います。知里姉弟然り萱野茂然り。
今回資料として使った本の編者の更科源蔵は東側の方の民話等を収集していた人で、今回の作品の元の題材の話も北見市で収集した話でした。道東の方はなかなか取材に行けないし伝承もある程度は移動はしているであろうから、できる範囲でということで中央部の話にすることにしたということです。安易に茅葺のチセを描いたりしないとか、その辺は気を付けたんですが。


あんまり長くなるとくどいし読む気もなくなると思うのであとは資料関係の話をざっくりして終わるけど、アイヌ関係の図録っていうのがあんまりなかったりするんですよね。以前函館の北方民族資料館で手に入れたのが2800円くらいだったけど凄く良かったので、お勧めしたいんだけど久しぶりに資料館のサイトを見たら存在すらなくなっていたので多分売り切れたのだと思う。残念だ。
ただ、北方民族資料館の冊子で「アイヌ風俗12か月屏風」っていうのはあるのでこっちをお勧めしておく。アイヌ絵の資料って基本高いんだよ。学術系資料しかなくて。あとは変な何…トンデモ本的なやつが出てきたりするから私はお勧めしない。函館の北方民族資料館の「アイヌ風俗12か月屏風」は300円だ。資料館に電話やメールで連絡すると遠方の人でも買えるらしいです。ついでに「アイヌ衣装の世界」ってやつも買ったらいいと思う。私が行った時はこれはなかったから持ってないけど。

安いけど意外と使えるかもと思ったのは白老の陣屋資料館で売ってる100円資料。「白老町の文化財ガイドブック」ってやつ。これで君も白老博士だ。まあ、そんなこと書いてないけど。は、いいんだけどこれ陣屋資料館じゃないと買えないんだよね。資料館はちょっと行きづらい場所にあるのでウポポイや駅の近くの物産館のポロトミンタラでも売ってくれたらいいと思う…実は売ってるのか?こっちも電話したら遠方の人でも売ってくれるんじゃないかな。まあ、やってみてくれ。健闘を祈る。



文章が長くなってしまったし落書きでも置いておこう。

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ちなみに子供の髪型は北見方面だともう少し、前髪と後ろの髪の間の剃ってある場所の面積が狭い感じらしい。形はこれと一緒だけど。




wavebox絵文字ありがとうございます!

2024年10月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

同人,お知らせ

2024年10月30日(水) 23:12:40



北海道COMITIA20参加してきました。
当日はスペースにお越しくださいましてありがとうございました!新刊も既刊も見ていただけて良かったです。


今回の北ティアは20回、10周年記念ということだったので、久しぶりの参加の人等にも会えて楽しかったです。


とりあえずギリギリのスケジュールでなんとか関西と北海道のコミティアに2週連続で参加しましたが、とりあえずは無事終わって良かったです。あ、新刊の通販も開始しました。気が向いたらよろしくお願いします。



お礼絵みたいなやつ。

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ちなみに今回の新刊ですが、風の神の方もサマイクルの方もどちらも年齢的には30歳前後を想定していたんですが、髭を描くとやっぱり渋い感じにはなりますね。高校の時に歴史の授業の時に聞いた、明治時代の政治家等は童顔でナメられないように頑張って髭を生やしてた的な話を思い出しますけど、髭を生やすことの難点といえば沢山生やすと顔の判別がつきづらくなるところかなあ、と思ったりはします。描き分けを意識しつつ髭を描くのは難しいなあと思う。



話が変わりますが、既刊について。「太陽と月」があと残り2冊です。再販予定はありませんので、興味がありましたら宜しくお願いします。他に残数が少ないものは「Miroirs」が残り5冊、まだもう少し持ちそうなので残数ありの表記にはしていますが「やまとは くにのまほろば」が残り11冊になります。演劇本も残り3部になりますが、こちらは時間を置いて再販しようかなと。またどこかのタイミングで演劇本2みたいなゆるい本を出すときに再販する感じになると思います。とりあえずそれまでは再販保留にします。


ここからは独り言に近いですが他の既刊については、「銀の笛と螺旋階段」と「錬金術」の残数がほぼ同じ。「君は天使」と「星売り」が先の2種よりは少し多めだけど残数ほぼ同じ。コロナ禍に発行したので弱気な部数しか刷っていない「常世の国」は「錬金術」よりは残数少な目。ちなみに2016年発行の「錬金術」と2023年発行の「星売り」は発行部数が同じなのだけど、残数がもう少しで並びそうで、「星売り」を読んでいただけていて有難い反面、「錬金術」の装丁部分の失敗とか色々考えてはしまう。そもそも地味な絵が濃い赤に埋もれてしまってるかも、と結構最近になって気が付いた。そんな感じではあるんですけど、良かったら「錬金術」宜しくお願いします。



次回イベントは11月24日のれみ村になります。今年最後の直接参加のイベントです。近くなったらまたお知らせしますが、それまでのんびりしてます。


同人,お知らせ

2024年10月21日(月) 23:02:41



関西コミティア71参加してきました。当日はありがとうございました。
前日は生憎の雨だったので当日もどうなることかとは思っていたんですが、なんとか晴れて良かったです。本も手に取っていただけて良かったです。

関西コミティアは今回で2回目の参加ですが、北ティアとも雰囲気が違って色々面白いです。自分の事で手一杯であんまりゆっくり見られないのが惜しいけど。自分の場合、秋が一番行きやすいのでまた来年も行くとすれば京都開催の時になりそうですが、どこかで機会があれば大阪の方も行ってみたいです。ただ真冬は色々こっちの天候が厳しいので、行くとすれば5月なのかなあ……。


それと珍しくイベント参加1週間後にまたイベントなんですが、10月27日に札幌コンベンションセンターで開催の北海道COMITIA20に参加します。スペースD17ですのでよろしくお願いします。新刊は「レラカムイ」です。本は今日届きました。表紙は今回高彩度印刷の方にしてみたので実際の絵よりは明るめの色だけど、綺麗に印刷されていて嬉しい。


表紙これですのでよろしくお願いします。


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同人,お知らせ

2024年10月12日(土) 23:16:01



北海道COMITIA20発行予定の新刊「レラカムイ」の入稿終わりました。何も言えねえ。
いや感無量なのではなくて、終盤根を詰めて脳みそがオーバーヒートしてしまい言葉が特に出てこないだけだ。なので今はちょっと休んでる。仕事は行っているから問題ない…と思う。


アイヌものまた描きたいなあ、と思っていたので描けて良かった。
「ルルイとハウベカ」を描いた後、この作品を描くこととは関係なしにアイヌ資料館等またちょこちょこ行ってきたので、その時に手に入れた資料などが役に立って良かったと思う。一人で行った場所もあるけど友人同伴で行った場所もあり、その際に付き合ってくれた友人等には感謝。おかげで笹葺きのチセも丸木舟も描けましたよ。

なんとか早割的な日程で入稿はできたけど締め切りに余裕を持って入稿できたわけではないので、関西コミティア71へのフライング持ち込みは厳しいかも。予定通り北海道COMITIA20の新刊として出す感じになりそうです。




作品のことは今はなんかもう、何も言えねえなのであとはイベント参加のお知らせします。

10月20日京都パルスプラザで開催の関西コミティア71に参加します。B33にいますのでよろしくお願いします。
関西コミティア初売りは今年6月発行した「髑髏」になります。帰りの交通機関の都合などで昨年と同じで撤収はおそらく14時頃になると思います。

あと個人的なことですがたなかいました。
探してたんですよ田中。探していた田中がいました。
じゃなくてスペース用の棚買いました。本増えてきたしそろそろ欲しいと思ってたんだよね。
段ボール製のとか金属製のとか色々迷ったけど、栄光で売ってた木製というか合板のやつにした。折りたたんだり解体した時にこれが一番小さく持ち運べそうだと思ったんだよね。接続部がちょっと固い感じはするけど作りはしっかりしてるし、とりあえず使ってみよう。



何も言えねえので寝てきます。

2024年9月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

同人

2024年9月30日(月) 20:08:45



BOX of BLOCKsとえべつ同人マーケット、ピロス同人マーケットそれぞれ参加してきました。イベント当日はありとうございました!

BOX of BLOCKsはweb用の作品を出されている方も多くて見る側としても楽しかったですし、えべつ同人マーケットの方はなんとか顔出しもできたのでそちらもひとまず良かったのかなと。えべつ同人マーケットが参加してるえべつマルシェは方は会場そのものは凄く分かりやすかったです。高校の緑地でやるイベントってどんな感じだろうと思ったけど、クラフト系や体験系のブースもあって面白かったです。高校生が作ったライスコロッケ食べてきた。ピロスの方も機会があればまた今後顔出ししたいです。


とりあえず取り急ぎっぽい感じで申し訳ないですが、次のイベント参加予定は関西コミティア71です。イベント近くなったらまたお知らせします。北海道COMITIA20の新刊の入稿が早めに終わって、尚且つ本が早めに郵送されてきたら関西コミティアにもちょっと持ってくかもしれないですが正直なんとも言えないです。とりあえずもうそろそろ仕上げに入れそうではある。なのでもうちょっと描いてくるわ。


同人,お知らせ

2024年9月10日(火) 22:46:12



webや委託等ですがイベントの参加予定があるのでお知らせ。

pictSQUARE内で9月14日8時~9月15日20時まで開催の創作漫画オンリーイベントBOX of BLOCKs にサークル参加します。スペースはエリアAのけ2になります。
新しいものは特にはないですが、今年は一次でwebイベまだ出てなかった気がしたので折角だから出よう、みたいな感じですがよかったらよろしくお願いします。いつも通り演劇本以外は全て通販できます。


折角なのでイベント用に配布されていたテンプレでお品書き作ってみた。

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あと翌週の9月22日と9月23日にえべつ同人マーケット、ピロス同人マーケットに参加しますので、こちらについては江別もしくは新札幌に行ける方いましたらよかったら良しくお願いします。

9月22日の会場はえべつマルシェ内とのことで、とわの森三愛高校の屋外運用地になります。小雨くらいまでであれば開催されるそうです。とはいえ晴れると良いですね。食品系とかクラフトグッズ等もあるようです。大麻駅から徒歩3分。

9月23日の方は新札幌のカラオケピロス内です。
2種委託。一応こちらの分のお品書きも置いておきます。

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どっちか顔出せればいいけどなー。


あ、更新は明日か明後日やります。

感想

2024年9月8日(日) 22:31:07



先月、札幌演劇シーズンのラストを見届けて来たので残りの感想でも。
サテライトの方はまだやっているけど。カラクリヌードのワークショップ公演もこれからだし、若いキャストのはち切れんばかりの演技が見てえよお…って感じなら今からでもまだ間に合う。自分はとりあえずスケジュール等が微妙で行けなそうだけど。でも見てたらメインプログラムの時と違うキャラクターがいたりして気にはなるんだよね。見比べるの面白そう。

ではとりあえず見て来た残り2作の感想。



「9人の迷える沖縄人~after'72~」
沖縄芸術文化の箱の公演。劇作家の所属などは「劇艶おとな団」と出ているし沖縄芸術文化の箱とはなんぞや、と思って調べてみたらこちらで言うところの北海道演劇財団的なものだということがわかった。ということで多分良いんだよね?

「9人の迷える沖縄人~after'72~」は劇艶おとな団が2016年に沖縄で公演。その後沖縄県内等で話題になり県内外での再演を経て、今回札幌での招待講演になったとかそんな感じだそうです。

演劇の内容は一言で言うとまさしく「沖縄」そのものというか。
1972年の沖縄復帰を目前にしたある日、とある新聞社の一室に無作為に県民が集められた。集められた人々は老婆や有識者や本土人や琉球舞踊家や主婦等様々。その無作為に集められた沖縄の住民たちに本土復帰についてどう思うか、意見交換をしてほしいというのが新聞社の狙い。意見交換会はどんな様子になるのだろうか。というのがざっくりとしたあらすじ。

しかしこれ、この演劇の半分くらいの要素でしかなくて、実はあらすじの部分は劇中劇なんだよね。実は沖縄のある劇団が1972年の本土復帰を題材に演劇をしましょう!という物語で、意見交換会の部分は劇団の練習風景や本番の一部、といった見せ方。
最初は「じゃ、そろそろ休憩にしましょう!」と言った時に突然和気あいあいとするので、どうした?と思ったら途中で見方が分かって、ああそういうことか!と思った。現代の時間軸のところは普通の沖縄あるあるっぽい雑談が中心で、海洋博の話とか、本土復帰後を知っている年代の話とか色んな情報が飛び交っていて面白かった。

で、1972年の劇中劇のシーンと現代のシーンを繰り返しているうちに、だんだんとその境目が合間になっていく。本土復帰前の世界と現代が時間を飛び越えてどんどんつながっていく構成は面白かった。終盤、一人の団員が劇の内容や、本土復帰後の現代はこれで良かったのかという話で他の団員と揉めることになるんだけど終盤の「俺の母親は米軍基地で働きながら一人で俺を育てて、その母親が先日米軍の兵士が運転する車に追突されて大怪我をした。事故を起こした本人は保護されて本国へ帰国してお咎めなしで、それで俺はただ一人の肉親を失いかけている」みたいな一言がなかなか効いてるなと。セリフはうろ覚えですまんだけど。彼は結局、どういった沖縄の姿が正しかったのか答えは出せない。
一人舞台の練習用の部屋に青年は残され、その中で沖縄民謡や日本語のラジオの放送や英語の放送などが入り混じって聞こえてくる、というシーンで幕を閉じる。

政治色が強い作品であるけど、所々挟んだギャグや和むシーンなどは楽しいし、琉球舞踊の人は本当に本職が琉球舞踊の人なだけあって本格的な舞踊が舞台上で観られたのもおもしろかった。劇中劇のシーンでおばあが舞踊家にお小遣いあげてたのとか、話し合いが始まったときに黒砂糖出して食べてたのは可愛かった。

作中の人物も答えが出せない話ではあるし、見ている方もじゃあどう思いますか?と聞かれても難しいなあ…みたいな返ししかできない話ではある。ただ、劇中で一か所ある意味この物語の答えを言っていると思えるシーンが一か所だけあって、それは劇中劇の終盤でおばあが「もう戦は見とうない」って話し合いから帰ってしまうシーン。他にもまあ、言い分らしいセリフは色々あったけど、究極はこれなんじゃないのかねとは思った。


ちなみにこの演劇、札幌で公演された「12人の怒れる男」を見て着想を得たということで、実際に見ると怒れる男の方は法廷劇で、沖縄人の方はどちらかと言えば政治劇という感じではあるんだけど、両方見ているとなんとなく対応するキャラクターがいるのがわかるのも面白い。
怒れる男の陪審員長と沖縄人の司会とか、怒れる男の4号と復帰論者とか、怒れる男の7号と沖縄人の本土人とか。

それでも作品としてはどちらも全く別物ではあるので作家の頭って面白いなって思ったって話です。




「葉桜とセレナーデ」
演劇シーズンリニューアル後第一回のトリにふさわしい、のと☆えれき。
基本的には能登英輔、小林エレキの二人芝居でちょっとだけゲストが入るという感じ。ゲストはナガムツと福地美乃が交代で。どっちも見たかったけどどちらかしか見れねーよおお…と思って、自分が一番行きやすい千秋楽公演行きました。よってゲストは福地さん。この二人のどっちか選べって無理だよ、究極の選択だよ……。結局選んだけどさ。


エレキさん扮する二十数年前に妻子を捨てたことを後悔して出産間近の実の娘に会いに来たおじさんと、能登さん扮する前者の娘のバイト先の店長である意味父親的存在のおじさんの。その二人が揉めたり、泣いたり、パシリにされたりしながら赤ん坊の誕生を待っているとかそんな話。

バイト先の居酒屋の店長凄い良い人だなー。最初、凄いチャラチャラしてる感じなんだけど、娘のようにかわいがっていたバイトの女の子が出産しそうだって言うんで自家用車で病院まで連れてきて、暖かいほうじ茶何本も買いに行かされたり、実の父親のダメさ具合に初対面なのに本気の説教したり、自分の孫が生まれるみたいにそわそわしたり。
そしてエレキさん扮する実の父親の後悔と何が何でも謝りたいみたいな気迫も凄い。ていうか最初見た時、エレキさん老けた?って思ったくらいだった。この人不思議なんだよね。役によって大きさ変わったりすんの。いや、実際そこまで変わってないだろうけど。こないだ見た時もっと大きかったよね?とか縦に縮んだ?とか割とある気がする。私は。

唯一フルネームが出てくる大石カコというのが二人のおっさんの娘なんだけど、この人も不幸の星の下に生まれたなあ、という感じの人で。父親はほぼ存在していないし、母親も彼女が中学の時に家を出ていくし、唯一の家族だった祖父は早くに死んでしまうし、変なというか危うい感じの男にひっかかるし、と色々凄い。だからこそバイト先の店長夫婦を両親のように思っていたという話は、そこだけは救いがあって良かったなあと思う。


脚本を書いたのは京都の劇団の人らしいけど、この演劇の舞台は北海道でいいらしい。JRの駅があって仕事がなくて海があって…ってどこだろう、と色々考えてしまった。長万部とか稚内とか根室とか?小樽や苫小牧ならいくらでも札幌にいけるだろうしなー。北海道のどこかだろうなーという感じは凄く出ている。ちなみに同じ脚本家の人の別の作品が8月24日とかそこらで札幌市内の違う劇場でやってて、それも気になったけどまあ色々断念。

話を戻すけど、能登さんの台詞が色々いいなあ。「今からでも父親になれよ!一生お父さんって呼んでもらえないかもしれないけど」とか「俺サイコー!」とか。
作品として言いたいことは、人生間違ったり上手く行かなかったり色々あるけど、でも新しい命が生まれるって良いことじゃん、とかそんな感じだろうか。

熱い演劇で面白かった。笑えるところも色々あったし。揉めた末に相撲が始まるのが好きだった。
あとゲストの福地さんが凄く良い味だった。この人の演技も好きなんだよね。千秋楽公演だったので最後にちょっとだけナガムツさんと演出やってる横尾さんが見られたのも嬉しかった。




おわり。


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